きのこ農家に転身したのは今から約3ヶ月半ほど前のことでして…
そのとき初めて作業に関わったきのこの瓶が、やっと生育室に入りました。
100日を少し遅れて、5月17日のことでございます。
きのこは栽培施設の中で、湿度、温度、照明をコントロールして育てるので1年中収穫できるわけでして…
当初は先輩ファーマーのN氏に「きのこに花が咲いたらいいのにねえ。季節感がほしいですよねえ。」などと言って、こいつ何言ってんだと首をかしげられたりしたものです。
1月の真冬に就農して今は5月半ば。3ヶ月半たって、そんなことを言っていた自分を思い出して恥ずかしくなるかというとそうでもなく、相変わらず「きのこに花が咲いたらいいのになあ」などと考えているわけでして…
が、
季節感というのなら、それは自分の気の持ちようと、視線の向きでございます。
私のいる「きのこ工場」の隣の敷地には、数本の果樹があり、どうやらリンゴと梨のようです。
春には梨もリンゴも花が咲きます。
今初夏が来て、きのこの瓶を運搬する道で眺める独鈷山と塩田平の風景は冬の景色から、青々とした麦畑の景色に。
梨の木には小さな実がつき、駐車場の脇にはカモミールとマーガレットが咲きました。
このカモミールは摘んで、ハーブティーにすればいいよと教わりました。
塩田平のという場所で、まあ、作業こそは建物の中だけど、季節を感じながら私はきのこを育てています。私の育てたきのこが今日も市場や誰かの家や、きのこむら深山のテーブルで、誰かを迎えています。
ああ、なんか最終回みたいな文章だけど、まだまだ道の途中のお話でした。
きのこファーマーなのに、新米でございます。
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