100日間の培養・熟成を終えたきのこ。
次に行われる作業は,業界用語で「菌掻き」というヤツでして…
ま、もちろん昨日「釜たき」をした物を使うわけにはいかないので、
「ここに100日たったものがありますぅ…」って、なんか○分間クッキングみたいな感じになりますが…
培養室から出たきのこは、「菌掻き機」へと流されます。
培地表面の菌糸と種菌を削り取り、菌に刺激を与えることで発芽を促します。そこへ水をやって生育を促す、そんな工程なんです。
この作業を前後することで発芽時期の調整は出来ますが、当園では100日超えが基本。ちょうどいい熟成具合なんだとか…
早春に咲く花の健気さや力強さ、蝉の幼虫が成虫へと羽化するのを下積みの苦労時代の例えにするよう、私たちの人生がまるで「きのこ」のようだと言うつもりもございませんが、まあ、何事にも熟成や機はあるのでございます…
そして、頭を削られて、水をかけられて、目を覚ます。
まるで、遠い日の自分のような…
って結局自分になぞらえてどーするの!!
ちなみに西欧では、きのこは何もないところから突然生えてくるので「生命の神秘」として錬金術師の研究対象だったり、生命の誕生や神秘の象徴としてキリストの誕生を祝うクリスマスにいただく「薪」をモチーフにしたケーキ「ブッシュドノエル」のデコレーション(あっ、これって「きのこの原木栽培」みたいですね!)に使わたりするのですが…
まあ、何もないところから生えるわけもなく、私たちは毎日毎日きのこの世話をするわけですよ。
さて「菌掻き」を終えたきのこは、培地に水分が浸透するのを待って生育室の棚へと運ばれてゆくのであります。
2022.2.1
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