本日は、きのこの栽培でメインイベントともいえる「接種」です。
ビン詰めした菌床に、きのこの種菌を乗せていく作業です。
今、世間では「接種」といえばワクチンですが、私たちには、畑でいえば「種まき」にあたるこの作業を「接種」といいます。機械でやります。
動画で見ると結構楽しいんですよ。
初めて、この作業を見た私は結構ウキウキしたわけでして…
工場見学みたいだなぁ、と。
でも、この作業、私たちのきのこづくりの中で、一番気を遣う作業でして…
ここで、きのこの菌以外の雑菌がついてしまうと、肝心のキノコが育たない!
昨日「釜たき」で高温殺菌をしたビンを一晩おいて、培地の中が15度くらいになったのを確認してから、頭の先から靴の底までアルコール消毒してスタートとなります。
小さい頃、母親から「外から帰ったら手を洗いなさいって言ったでしょっ💢」
などと、叱られていたわたしはドキドキです。
今日は朝7時から。
半日かけて、約4,800本に種菌をつけていくわけです。
ところで、わたし、一昨年から夏の間は小さな畑で、なすやらトマト、ズッキーニなんかを自分の食べる分だけ育てたりしています。
種をまいたり、苗を植えたりしているときに、必ず「星の王子さま」のバオバブの木のところを思い出します。 第5章ですね。
…いい草のいい種と、わるい草のわるい種とがありました。…
というあれです。
…赤カブやバラの木だったら、のびほうだいに、のばしておいてよろしい。だけどわるい草木だったら、それが目につきしだいすぐにぬきとってしまわなければなりません…
みなさんの経験あるでしょう?「だめだなぁっ」て思ってたこと、放置して、大変なことになったこと。特に心や、気持ちの問題はね…
で、いい種は「きのこ」。わるい種は「雑菌」ということで、最近この作業のたびに「星の王子さま」を思い出している、おかしな新米きのこ農家になっています。
サンテグジュペリさんもきっと苦笑なさっておりましょう。
さて、接種の終わったきのこのビンはこのあと培養室へ。
培地の中に菌がまわるのを待ちます。
当農園では約100日かけて、じっくり熟成させていくのであります。
いったいビンのなかのキノコの菌はどうしているのでありましょうか…
そうそう。星の王子さまは言いました。
「かんじんなものは目に見えない」ってね。
2022.1.31
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