新米農家の私は驚いた。
生育室に青いきのこを発見したからだ。
あわてて画像を撮って前職の仲間に送り、こいつの菌を培養して、育てたらきっと儲かるに違いない。と、一攫千金を夢見たのである。
仲間達の反応は「すげえーっ!」とか「観賞用にほしい♡!」とかだった。
夜、他の仕事もあってなんとなく生育室を眺めて帰ろうとした私は、一人興奮して翌日先輩ファーマーに会うのを楽しみにしたしていた。
意気揚々とそのことを告げると、
「ちょっとこっちへ来て」と別の生育室に連れて行かれた。
「ほらっ」と先輩に言われてみると、こうだった。
どうやら、このきのこはどれもこれも小さいときは青いらしいのだ。
成長するとこうなる。
真っ白いきのこ、私たちの売れ筋きのこ「花茸」というきのこだ。花びらのよう形が特徴。
で、
「どうして青いのが白くなるんですか?」と聞くと
「それはわからないけど、前からそうだ」と言う回答。
「先輩!ちょっとそれはクールすぎやしませんか。そこを解明して、青いきのこを育てようじゃありませんかっ!!」
とは心の声で、あれから、約5ヶ月。通常のきのこ作りを覚えるのが何より先決。
毎日、毎日、勉強の連続ですわ。
5ヶ月でわかったことは、農家は、理屈も大事だが、やはり「経験」が大事!だってこと。
そんなこと、51歳にしていまさら改めて・・・なんですよ。
先輩農家のものの手順や、後輩の私が仕事をしやすいように付き合ってくれるやり方には、嗚呼、「優しさ」を感じます。
わたしも早く1人前にならなくてはね・・・
しかし、あきらめてはいませんよ。
いつか、「青いきのこ」を作れるんじゃないかって…
そうそう、野生の世界には「ソライロタケ」という青いきのこがあって、日本の固有種だそうな。食・毒は不明だそうで…
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